2017年1月15日日曜日

いちサラリーマンの視点で、『再起動(リブート)』を考えてみる。

もう一月も半ばに差しかかろうとしていますが...
明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。


さっそくですが新年一発目の読書、皆さまはどんな本を読みましたか?

僕は数多くなってきた積読本の中から...『再起動(リブート)』を読みました。
著者は、昨年12月に本ブログでも紹介した、私が所属している
一般社団法人ソーシャルシフト・ラボの代表理事 斉藤徹さんです。


この本のリードに『波乱万丈のベンチャー経営を描き尽くした真実の物語』と
ありますが、その言葉では足りないぐらい、読んでいて思わず目を背けたく
なるほどの辛い状況に何度も置かれながら、その都度「再起動」してきた
斉藤さん自身のリアルな起業家人生が、これ以上ないのではという位
懇切丁寧に描かれています。

この本を読んでまず感じたのが、


ここまで深く人の「過ち」を知る機会が今まであっただろうか


ということです。

自叙伝、それに近い位置付けの本は世の中に数多く出ていますが、それらの本と
この本の決定的な違いは、「成功したことだけにフォーカスするのではなく、むしろ過去に
犯した自分の過ち、失敗の方をメインに取り上げ、それらと真摯に真正面から向き合い、
とことん反芻している。そしてその過程・結果が包み隠さずしたためられている」
ところだと思います。偉人の輝かしい成功談を読んで、「すごいけど、到底自分には
真似できないよな」と思ったことが僕は何度もありますが、この本に出てくる「壮大で
崇高な失敗談」を目の当たりにすると、どうしても過去の自分と重ね合わせてしまいます。


本文の中に、

僕はこれまでの経験から、自分自身の心の弱さを客観的に理解していた。今、目の前にある
現実に集中し、自分が影響を与えられる範囲で、自らがすべきことを決める。あとは何も
考えずに実行あるのみだ。昨日の後悔も、明日への恐れも頭から排除する。目の前の現実しか
見ないマシンになりきるのだ。それができなければ、この苦境は乗り越えられない。
自らの考え方をコントロールできるのは自分自身だけだ。修羅場における心の持ち方は、
すでに僕の細胞の隅々にまで深く浸透していた。

といった文章が出てきます。事の大小・状況の違いは(かなり)あれど、僕もちょうど1年前くらいに
仕事でかなり困難な状況に直面した時に、似たような心境になったことを思い出しました。

特に、

「自らの考え方をコントロールできるのは自分自身だけだ」

という言葉に深く共感します。
起こってしまったことをどう捉えるか、そこからどのように「再起動」するかを決めるのは
自分自身なんだと。僕もたいがい「心が弱い」という自覚症状があるのですが、、
だからこそ「そのモードに入っている」と気づいた時に、自分自身で

「あえてポジティブに捉え直す」

という作業をよく意識的にしています。こうなる時はたいがい自分のふるまい・言動が
「人にどう思われているか」不安で心配になる、といったケースが多いのですが、
何だかんだあってもその真偽が確かめられないことの方が圧倒的に多いので、だったら
ポジティブに捉えておいた方が得じゃん、という。はい。超楽観的思考です!笑


さて、そんなこんなでタイトルからかなり脱線してきました。。

大手企業を飛び出してベンチャーの世界に飛び込んだ斉藤さんの著書なので、
この本の主題はもちろん「起業」です。
一方で僕は、社会人生活まもなく17年間(いろいろ先は変わっていますが。。)
企業勤め一筋、根っからのサラリーマン。

バブル崩壊、銀行の貸しはがし、自宅が競売にかけられる、経営者追放...
よく耳にしてきたこういった言葉は聞き覚えはあれど、いざ自分ゴトとしてどう
捉えるか、となるとあまりにも世界が違い過ぎて、ビジネス本としては参考に
ならないんじゃないか、とお思いになる方もいるかもしれません。


この本を読んで僕の中で起こった一番大きな変化は、

経営者の視点で、いちサラリーマンの自分を見つめ直そう

と思うようになったことです。

自分が目の前のプロジェクトに忙殺され、クライアントから無理難題を言われて上司に
相談する時間もない中、まず何をどう進めていけばいいのかと途方に暮れている時に、
社長をはじめ役員や幹部の人たちは、会社のこと、仕事に従事している社員のことを
最優先に考え、取引先との交渉や資金繰りに自分の身を削って取り組んでいる。
その果実として得たお金を、給料として僕たち社員が頂いているんだ。

ということは、こうして書くまでもなくごく当たり前の事実なのですが、自分の中では
正直ここのところちょっと意識が薄くなっていたな、とハッとさせられたことのひとつでした。

この本の中で著者は、順調に推移していた事業がバブル崩壊で窮地に立たされ、
さらに「雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す」銀行から貸しはがしに遭う、
といった泣きっ面に蜂の危機に度々遭遇しています。
そこから「再起動」できた裏では、常に各専門領域に長けたプロフェッショナルな
ブレーンの面々が支えていた、という主旨のことを語っています。
僕もサラリーマンである以上、こういった経営者に信頼してもらえる優秀なブレーンに
なることを目標にしていかなければならない、その想いを新たにしました。


それを実現に少しでも近づけていくための策として、

「小さなリブート」を繰り返す。

これを今年の僕の仕事上の抱負として掲げます。

日常の業務の中で立ち止まり、悩んでしまうケースがありますが、
その立ち止まる時間をできるだけ短くし、次のアクションに移していく。
もし間違っていると感じた時には軌道修正のうえ、すぐにリブートする。
いわば、自分の中でPDCAサイクルを超高速で回していく、
そんなイメージを持ってやっていきたいと思います。

『再起動(リブート)』は、紛れもなく『事実は小説より奇なり』を地でいく本です。
なので、読んだ人ごとに違う視点での感想を抱くはず。ぜひいろんな方と
感想を語り合いたいので、読まれた方は教えてください!
(↑の写真を見ると分かりますが、かなりたくさんの付箋を使いました。
 その内容のごくごく一部しか書けていないのです...)



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